Shopify B2Bで月末締めの合算請求書を出す(2026年版)

B2Bを有効にして支払い条件をNet 30にすれば、取引先は後払いで注文できます。ところが取引先の経理から「1か月分を1枚にまとめてください」と言われた時点で、標準機能だけでは手が止まります。支払い条件と締め請求は、似ているようで別の仕組みだからです。

最終更新: 2026年9月

支払い条件でできること

Shopifyの支払い条件のヘルプでは、選べる条件は Net 7・15・30・45・60・90(注文日起算)、出荷完了時、指定日(下書き注文のみ)、そして即時払い、と説明されています。

ここで押さえておきたいのは、これが「注文ごと」の支払期限だということです。10件注文が入れば、10件それぞれに支払期限が付きます。取引先から見ると、10件の支払い対象が別々に存在している状態です。

日本の「締め」は何が違うのか

卸・BtoBでよくある取引条件は「月末締め・翌月末払い」です。これは次の3つを同時に言っています。

  • 期間で区切る:1日から末日までの取引をひとまとまりとして扱う
  • 1枚にまとめる:その期間の取引を合算した請求書を1通だけ交付する
  • 期限は締め日起点:支払期限は注文日ではなく、締め日から計算する

Net 30 との差は、3つ目より先に2つ目で出ます。締め日が月末なら、8月3日の注文も8月28日の注文も支払期限は同じ9月30日です。注文日起算のNet 30では、この2件は別々の期限を持ちます。

支払い条件(Net 30)締め請求(月末締め翌月末払い)
単位注文ごと取引先ごと・期間ごと
請求書の枚数注文の数だけ1期間につき1通
支払期限の起点注文日(または出荷完了日)締め日
締め日の設定取引先ごと(末日・20日・25日など)

取引先が卸や小売なら、支払いは月1回の振込にまとめたいはずです。注文ごとに請求書が届くと、先方の買掛担当がこちらで合算し直すことになります。

CSVで手作業にすると、どこで崩れるか

注文をCSVで書き出してExcelで合算する、というのが最初に思いつく方法で、実際それで回っているストアもあります。取引先が2〜3社で月に数件なら十分です。件数が増えたときに効いてくるのは、次の3か所です。

1. 締め日の境界

「8月分」に入れるのは、8月に注文されたものか、8月に出荷されたものか。卸では納品・検収にあわせて出荷日で区切ることが多く、この場合8月30日注文・9月2日出荷は9月分になります。

どちらが正しいという話ではなく、取引先との取り決めと、毎月ぶれない運用が要ります。手作業だと月ごとに判断が揺れ、先方の支払通知書と件数が合わなくなります。

2. 締めたあとの返品

請求書を出したあとに、その月の注文が返品されることがあります。ここで交付済みの請求書の金額を書き換えると、取引先が既に処理した請求書と食い違います。一般的なのは、発行済みの金額はそのままにして、返品分をマイナスの明細(赤伝)として次の締めに繰り入れるやり方です。

3. 税率別の内訳

適格請求書には税率ごとの対価の額と消費税額が要ります。合算するとこの計算が1か月分まとまるため、明細ごとに消費税を出して足し上げると、税率ごとの合計と合わなくなります。端数処理の回数が変わるからです。この点は合算請求書をインボイスとして出すで詳しく書きました。

締め請求を始める前に決めておく3つ

締め基準(注文日か、出荷日か)

前述のとおりです。Shopifyで出荷を記録していないストアが出荷日基準にすると、請求対象が0件になります。出荷を登録する運用とセットでないと選べません。

支払期限が休日に当たったとき

翌月末払いで、末日が土日祝だった場合に翌営業日にするのか前営業日にするのかは、取引先ごとの取り決めです。ここを決めずに請求書へ日付を印字すると、先方の支払予定とずれます。

前回の未入金を載せるか(繰越方式)

日本の合計請求書には、前回御請求額・御入金額・繰越金額を記載して「今回御請求額=繰越+今回分」とする様式があります。取引先の経理はこの形を見慣れていることが多い一方、繰越を含んだ金額を売上や売掛金として計上すると二重計上になります。帳票に載せる金額と、帳簿に計上する金額は分けて考える必要があります。

ここに書いたのは取引条件と帳票運用の整理であり、税務判断ではありません。自社の処理については顧問税理士にご確認ください。

アプリでの扱い

私たちが開発している 掛売り請求 ツナギメ(Shopifyアプリ)は、この記事の内容をそのまま実装しています。ShopifyのB2B機能(会社/支払条件)で入った注文を取り込むため、B2Bを使っているストアが対象です。

  • 取引先ごとの締め日(末日・任意の日)と支払サイトで、期間内の注文を合算して1通を発行
  • 締め基準は注文日/出荷日を選択。支払期限の休日調整も取引先ごとに設定
  • 税率別(10%/8%/対象外)の内訳を持つ適格請求書として発行し、PDFの控えを保存
  • 返品・キャンセルは赤伝として次の締めに繰り入れ、発行済みの請求書は書き換えない
  • 繰越方式に対応。繰越を含む「今回御請求額」は帳票にだけ出し、売掛残高と会計連携は当期分のみ
  • 入金の消込、売掛のエイジング、与信限度額の管理まで同じ画面で

フリープランは取引先3社・月5通まで無料で、導入前に実際の取引先で試せます。

よくある質問

Shopifyの支払い条件(Net 30)だけでは足りないのですか

Shopifyのヘルプでは、支払い条件はNet 7〜90・出荷完了時・指定日(下書き注文のみ)から選ぶ、注文ごとの支払期限として説明されています。1か月分の注文を1枚にまとめて、締め日を起点に支払期限を計算する機能としては書かれていません。取引先が1か月分を1枚で受け取る運用なら、合算する仕組みが別に要ります。

締め日は注文日と出荷日のどちらで区切るべきですか

取引先との取り決め次第です。卸では検収や納品にあわせて出荷日で区切ることが多い一方、Shopifyで出荷を記録していないストアだと出荷日基準にすると請求対象が0件になります。どちらで区切るかを先に決め、毎月同じ基準で運用することが重要です。

締めたあとにその月の注文が返品されたらどうしますか

発行済みの請求書の金額は書き換えず、返品分をマイナスの明細(赤伝)として次の締めに繰り入れるのが一般的です。交付済みの請求書を後から書き換えると、取引先の帳簿と食い違います。